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海域環境, 自然再生

有明海の生態系再生をめざして
1章 有明海における物質循環と生物生産の特徴(有明海の概況物理 ほか)
2章 開発行為(有明海における干潟の減少ダム、川砂採取と河口堰、諌早湾干拓事業、ノリ酸処理剤、熊本新港)
3章 有明海環境異変とその要因(諌早湾干拓などに伴う潮汐、潮流、海洋構造の変化、有明海浅海定線調査データでみられる表層低塩分水輸送パターンの変化、有明海の流れの数値シュミレーション、水底質変化―ノリ漁業栄養塩・調整池水質と諌早湾水底質・有明海奥部貧酸素、底質の変化)
4章 有明海生態系異変とその要因(赤潮の大規模化とその要因、底生動物相の経年変化、魚類の変化、獲得量の変化)
5章 有明海環境変化と生態系異変の総括(有明海の漁業生産変動の特徴―瀬戸内海との比較、有明海奥部の水質変化 ほか)
先日紹介した有明海の自然と再生では、社会的背景と問題提議を中心とした本でしたが、今回紹介する本はそれに関連した学術的内容の濃いものです。物質循環と生物生産の観点から、過去から現在に至り何がどう変わって異変が見られるようになったのか、またこれを改善するための方策としてどうすればよいのかについて綴られています。最後に参考文献も一覧にまとめられています。
books
有明海, 海域環境, 自然再生

川と海
序
第I部 総論
第1章 地球表面における水の循環…………宇野木早苗
第2章 川が海の物理環境に与える影響…………宇野木早苗
第3章 川が沿岸の地形と底質に与える影響…………宇多高明
第4章 森林・集水域が海に与える影響…………佐々木克之
第5章 川が海の水質と生態系に与える影響…………山本民次
第6章 川が海の生きものと漁業に与える影響…………佐々木克之
第II部 河川改変が海に与える影響
第7章 河川改変が海の物理環境に与える影響…………宇野木早苗
第8章 河川改変が沿岸の地形と底質に与える影響…………宇多高明
第9章 河川改変が海の水質と生態系に与える影響…………山本民次
第10章 河川改変が海の生きものと漁業に与える影響…………佐々木克之
第III部 各海域における川と海の関係、現状と課題
第11章 東京湾とその流入河川…………佐々木克之・風間真理
第12章 伊勢湾・三河湾とその流入河川…………宇野木早苗
第13章 大阪湾とその流入河川…………藤原建紀
第14章 広島湾とその流入河川…………山本民次
第15章 有明海・八代海とその流入河川…………佐々木克之
第16章 相模灘とその流入河川…………岩田静夫
第17章 東シナ海・黄海とその流入河川…………磯辺篤彦
第18章 日本海とその流入河川…………藤原建紀
第19章 オホーツク海とその流入河川…………青田昌秋
第20章 地中海とその流入河川…………小松輝久
第21章 マングローブ林と河川と海…………松田義弘
第IV部 海と河川管理
第22章 海域を考慮した河川の管理…………山本民次・清野聡子
用語解説
索引
海から川、川から海といった相互の視点から地形、水質、底質、生物への影響を評価した書物です。
ケーススタディの紹介も盛りだくさんで、いわゆる日本の閉鎖性海域から東シナ海、黄海、オホーツク海等の外海までフィールドとして、日本海洋学会等の研究者らによって個々で行われた研究事例を紹介されています。
ただし、近年の環境修復や自然再生を意識した河川管理を中心に議論されているものの、それに関する事例は紹介されておらず、あくまで学術的な海と川の関係について述べられています。
河川等の淡水の影響が考えられる沿岸域をフィールドとした研究者には必須な本の一冊です。
books
水産, 海域環境, 物質循環, 生物生産