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Posts Tagged ‘海洋生物’

タイラギ養殖成功の先には?

3 月 15th, 2009

今月に入り報告書の執筆でドタバタしているzoobioです、こんにちは。

 気になるニュースを見かけたので、発信してみます。

タイラギ養殖に成功 水産総合研究センター :佐賀新聞

 有明海での漁獲量が激減している二枚貝「タイラギ」の養殖に、水産総合研究センター西海区水産研究所(長崎市)などの研究チームが成功した。漁場環境が悪い海底を避け、ネットなどで海中につるす「垂下養殖」によって稚貝から出荷サイズまでの生産に成功した。3年後の実用化を目指している。

 ○タイラギなど貝類の養殖研究へ 佐賀県

有明海の海況異変に伴い、魚介類の漁獲量が激減する中、佐賀県はタイラギやアゲマキなど貝類を中心に水産資源の回復に向けた養殖研究事業に取り組む。2月定例県議会に関連予算として1億6000万円を計上、有明水産振興センターが2009年度から3年をかけて技術の確立を目指す。

県はタイラギの稚貝が立ち枯れ斃死(へいし)しにくいとされる干潟の浅瀬に移す方法での養殖を目指す。漁場の海底改善についても、凝固する可能性がある覆砂による改善ではなく、稚貝が着底しやすいモガイの殻散布と耕うんによる改善を模索する。ともに技術が確立されれば、大規模な養殖の可能性が広がるという。

激減タイラギ “お引っ越し” 有明海 稚貝1万6000匹で実験 佐賀、長崎県

有明海で激減している大型二枚貝タイラギの増殖へ、佐賀、長崎両県が連携し、5月にも大規模な天然稚貝の移植実験に乗り出すことが12日分かった。夏場に有明海で発生する酸素濃度が極端に低い「貧酸素水塊」がタイラギ死滅の要因とみられており、実験では、統計的に貧酸素水塊発生が少ない海域4カ所へ、稚貝約1万6000匹を移植する。

タイラギはどんな貝?

タイラギは二枚貝の一種で、10m以深の砂質海底に生息しています。形は写真のように三角形で殻長30cm以上、殻高20cm以上に達する大型種です。

タイラギ

巨大な貝柱!タイラギ貝 35cm前後 1枚

藻場周辺に生息するタイラギの様子は1分20秒あたりからです。

よく分からなかった方もいるかもしれませんが、逆三角形を海底にぶっ刺した格好で生息していまして、そのため海底上に出ている部分にはよくフジツボが付着している個体も多く見かけます。(こちら参照)

普段は刺身や寿司でよく食べられていまして、ほかにはバター焼きや天ぷら食べるとうまいらしいです。(タイラギ検索結果

タイラギは減少している?

そんなタイラギですが、ニュースの記事でもあったように、漁獲量は確実に減少しているとのことです。東京湾では、数十年前までは採れていたものの、今はまったく採れなくなっているようです。現在の産地としては、三河湾、播磨灘、備讃瀬戸、伊予灘ぐらいで、有明海では、諫早湾のギロチン以降採れなくなったようです。

各地漁獲量減少の要因はそれぞれだと思いますが、思いつくものが並べてみます。

1.海砂採取の影響

瀬戸内海に限ってのことかもしれませんが、海砂採取によるタイラギを含めた底生生物の生息環境の減少が懸念されています。現在では瀬戸内海の海砂採取は全面禁止されていますが、その代償は大きく今後の生態系再生を見越した長期的なモニタリングが望まれています。

海砂採取、全面禁止へ-徳島新聞
海砂採取-追跡-広島新聞
海砂採取の全国的傾向(PDF)

2.貧酸素水塊の影響

いわゆる都市を背景に持つ閉鎖的な海域(有明海や東京湾など)での問題ですが、タイラギに限らず底生生物全般に対して影響を及ぼす貧酸素水塊は大きな課題の一つです。

熊本大学研究シーズ集->タイラギ斃死の原因解明と養殖技術の開発
溶存酸素濃度の低下に伴うタイラギの行動の変化
漁業者苦境変わらず…3季ぶり再開の有明海タイラギ漁

3.ナルトビエイの食害

 アサリ、タイラギなどの二枚貝を好み、バリバリと噛み砕く歯を持つエイの一種です。元々は九州以南に多かったナルトビエイが、温暖化に関連してかどうか明確には分かっていませんが瀬戸内海にも多く定着しつつあります。冬場の水温上昇などが影響しているとも言われています。

タイラギ食べる海の“厄介者”、メタボに効果
山口県内海の生態系が異変
大分の海と温暖化 7   ~大食漢のナルトビエイ~

 

3つほど一般的に言われている要因を並べてみましたが、その真意については分かっていません。水産試験場の方に話を聞いたところ、採れたり採れなかったりと年ごとに変動が大きいようで、漁師さんによる採りすぎの影響も懸念されているようです。それに加えて浅場に生息していたタイラギは採りつくしてしまって、最近では深い水深まで漁師さんが採りにいっているということもおっしゃっていました。これを聞くと、上に並べた3つの影響はあたかも環境問題にクローズアップしていて、漁獲圧の影響は無視されているような気がしてなりません。

タイラギの養殖・・・その先

上で書き連ねたようにタイラギが採れなくなったことは確かなようです。冒頭でのニュースで取上げられている研究では、現在養殖されているカキのような垂下式に似たシステムを想定しているようです。カキの養殖では、植物プランクトンを食べて成長しますが、富栄養化で問題となる懸濁物をものすごい速度でろ過するために一見浄化に優れたように見える一方で、海底に排泄物を溜め込む悪い一面も持っています。その結果、カキ養殖場では底質悪化やそれに伴う貧酸素化などの問題が生じています。もちろんタイラギもカキと同様の問題が発生する可能性はあります。

また、干潟にタイラギを移植する方法も実験的に検討されているようです。さらにタイラギが生息しやすいように干潟を耕うんで改良することも考えられているようです。このことはアサリ資源回復のために同様の方法がとられていますが、アサリにしてもタイラギにしても他の生物への影響は的確に評価されているのでしょうか。あまりにも横暴な方法のような気がしてなりません。

そのような養殖技術も一部では大事ですが、それよりも減少の主要因をはっきりさせること、本来生息していた場の再生・修復、そのための技術開発に力を注ぐべきじゃないでしょうか。みんなが幸せになれる方向に進んでいくことに精進しつつ、おいしくタイラギを食べたいものです。

※不快に感じた方がいらっしゃいましたらごめんなさい。

タイラギ検索結果

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全・東京湾

2 月 6th, 2009

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全・東京湾

第一章 現住所は東京湾
 1. お母さんイソガニの本能
 2. ハゼ公の水中ワンルーム
 3. イッカククモガニの思春期
 4. 風呂田先生のこと
 5. ヘドロの水中撮影技法
 6. カニの交尾シーン
 7. コウイカの黒い卵
 8. ビバ!東京湾の華たち
 9. カブトガニとロマンチック
第二章 湾一周
 1. 富津岬発、観音崎着
 2. 湾一周・補記
第三章 東京湾の漁法
 1. 勇壮なる海のワルツ-巻網漁
 2. 青潮という敵の影-アサリ漁
 3. 夜明けの生存競争-貝のもぐり漁
 4. 潜水艦も現われる風景-遊漁船業
 5. 海中の配線図-タコツボ漁
 6. 豊漁の証明と現実-底曳漁
 7. 板子一枚下は地獄-大自然と漁の定説
第四章 東京湾人生
 1. 船上のメリー・クリスマス-羽田沖の飯田昭三
 2. 美味いノリを作る永遠の老師-船橋の瀧口喜一
 3. 荒れた海を選ぶ孤狼-富津の森田勇司
 4. タチウオを追う夫婦舟-横浜・柴の小山「小金丸」
 5. 東京湾を継ぐ胎動-二一世紀の漁師
第五章 人と自然と東京湾
 1. 一月二日の「ふなゆえ」
 2. シベリアから来るスズガモ
 3. 大都会の古今物語
第六章 東京湾の魚は食えるか?
 1. 「浅草ノリ」を殺すな!
 2. 海から食卓までカレイを追跡
 3. 東京湾の魚は食えるか?
あとがき

10年間、著者中村 征夫氏がヘドロに埋もれながら写真を撮り、実体験をもとに書き記したルポルタージュです。目次からも分かるように、あらゆる生物を写真に収め、海と直接かかわる漁師達に耳を傾け、科学者よりも海を知る写真家かもしれません。最後に、「今後も彼ら(生物)の姿を追い続けることで、もっとも敏感に東京湾の環境の変化を読み取ることができるような気がする」とあります。見ることで生物と環境とのかかりを感じ取れるのは、長い時間/労力を費やして得られるものかもしれません。こういったところに長期的なモニタリングの重要性があると感じます。

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海洋ベントスの生態学

1 月 11th, 2009

今回紹介する本は海洋生物の中のベントス(底生生物)に関するものです。

海洋ベントスの生態学
海洋ベントスの生態学

第1章 ベントスとはどういうものか
第2章 個体群動態と生活史
第3章 社会関係
第4章 種間関係
第5章 群集の構造と動態
第6章 生態系と物質循環
第7章 生物地理
第8章 ベントス生態学と水産のかかわり
第9章 富栄養化による環境攪乱

 

キーワードを挙げてみると、生活様式、摂食様式、個体群動態、雌雄関係、種間関係、生物撹乱、生態系と物質循環、生物地理、水産、環境撹乱などなど、その内容は盛り沢山で、ベントス研究に関する内容が網羅されています。

また参考文献もしっかりと記載されており、さらに巻末の14ページにわたる索引も読者にとって非常にありがたいと思います。

海の環境に関する研究をされている方にとって、ベントスの知見は外せないと思うので、是非この一冊を手にしてみてはどうでしょうか。

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ウミウシ-sea slug-

1 月 7th, 2009

昨日徹夜してしまい、もうこっくりさんです、zoobioです。

ウミウシは、やっぱり泳ぎが可愛いです。

一生懸命なんです

あまりにカラフルだと毒々しく感じるのはzoobioだけでしょうか・・・。

普段は食用ではない生物ですが、昭和天皇は研究のために食べちゃったらしいです。

研究のためとはいえ、zoobioには無理でしょうね。

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アメフラシ-Sea hare-

1 月 6th, 2009

久々のYouTubeの投稿です。

こんにちは、zoobioです。

以前、護岸の研究をしていたときに、頻繁に見かけましたアメフラシ

いやーでっかいですね。下の動画では手に捕って撮影しています。

タイトルの副題に書きましたSea hareは英名ですが、その名の通り海のウサギです。

頭部の二本の突起をウサギの耳に見立てたらしく、中国名でも同様に海兎というらしいです。

主に海藻を摂餌するらしく、記憶によると春によく見かけたのはこのためですね(繁殖時期も春かも?)。

泳いでるときは可愛いのですが、どうにも釣りをしていた方が釣り上げてしまって、紫色の体液でぐちゃぐちゃになっているのが頭から離れません。

間違って釣り上げた方はそっと海に帰しましょう。

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